たかがリング

設計の草野です。

当社はOEM生産が主体。
ズバリ製品を紹介できるものが僅かなのが悩みのタネです。
そんななか、先週現場で気になる作業を発見したのでご紹介します♪


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製品は、平らな板をプレスで丸くロールし、端面どうしをTIG溶接でつなげた、小さな“ステンレスのリング”。


問題は、溶接での変形!
溶接前はきれいだった丸が、熱で想定以上に戻ってしまいました。


溶接部が微妙に平らに・・・↑


せっかくプレスできれいなアールを形作っても、これでは次の工程に支障が出ます。




というわけで、矯正作業が必要となります。


いままでは、溶接作業者が手作業で矯正をしていました。
時間をかけたわりには形状はまちまち。
やっぱり次工程でも微調整を必要としていました。


ここで現場担当がひとひねり!


手動で簡単に矯正可能な“矯正機”を制作。


加工品を冶具にセットし、レバーを押すだけで、きれいな丸になります。
少し力が要るらしいですが、均一な仕上がり!


比較画像です↓

左が矯正前、右が矯正後。違い、分かります??



作業者のちょっとしたアイディアが製品に生かされた、いい例です。
たかがリングでも、こんなに手間を掛けるって、以外でしょ?

製造って、こんなことの積み重ねだな・・・と、つくづく感じました。


欲をいうと、次回はこの作業を省略できる“溶接冶具”を作りましょう!


・・・まことに欲深い、設計の草野です。